洗った食器は自然乾燥が衛生的?拭くならキッチンペーパーがおすすめ

by 三葉 紗代

食器を自然乾燥させておくのは、手間が省けるだけではなく、衛生面でもメリットがあります。

濡れたまま放置しておくより、すぐ拭いてしまう方が衛生的だと思うかもしれませんが、その「食器を拭いているふきん」は本当に清潔でしょうか? 一度使ったものを洗わず、キッチン内に干して乾かし、それをまた使っていませんか? 使用したふきんをそのままにしておくと雑菌が繁殖し、そのふきんで拭いた食器にも雑菌がついてしまいます。

食器は、その名の通り「食べ物を入れる器」。衛生状態には特に気をつけたいものです。


食器は自然乾燥が多数派

自然乾燥させている既婚女性は50%

大手生活用品メーカーであるライオン株式会社の調査(※)では、食器を洗ったあと「拭いてしまう」のは、女性16.7%、男性18.9%でした。一方「自然乾燥させる」は、女性50.0%、男性35.1%。女性は半数もの人が「自然乾燥させる」と答えており、「拭いてしまう」を大きく上回りました。

洗った食器はすぐ拭いてしまうのが当たり前、と思っていた人にとっては、驚きの結果かもしれません。

※ライオン株式会社の調査対象:2020年12月 20代~50代の既婚者 男性328名、女性484名

食洗機の普及率は35%程度

食器洗いに手間をかけたくないのであれば、食洗機を使う手もあります。しかし、内閣府の調査(※)によると、食洗機の普及率は34.9%。導入していない約65%の人にとって、食器洗いは今でも人の手でおこなう家事なのです。

「洗ってすすぐ」まではどうしても手作業が必要。しかし、その先が「拭いてしまう」より「自然乾燥」が多数派なのは、効率化を求める今の時代らしい結果なのかもしれません。

※内閣府の調査対象:2021年3月末時点 2人以上の世帯

食洗器の普及率はまだまだですね!食洗器の効果については、食洗機の時短効果は〇〇分!?3ヶ月あればコストを回収可能なワケ も参考にしてみてくださいね。


自然乾燥をおすすめする理由

家事の時短になる

食器を乾燥する様子

自然乾燥なら、食器を洗って水切りカゴに置いておけば「食器洗い」という家事は完了。「拭いてしまう」作業をしなくてすむので、時短になります。

子どものころ、親の手伝いで食器洗いをしていたときは「拭いてしまう」までが一連の作業だった人も少なくないでしょう。しかし、大人になって自分が主体的に家事をする身となると、できるだけ手間は省きたいもの。そのまま置いておけば乾くのですから、「手抜き」ではなく「合理的」です。

「拭いてしまう」より衛生的

すぐ拭いてしまうのが不衛生なのは、ふきんに問題があるからです。濡れたふきんは雑菌の温床で、キッチンに干して乾かしても、雑菌がなくなるわけではありません。その状態のまま食器を拭いてしまっては、せっかく洗った食器に雑菌をこすりつけているのと同じ。清潔なふきんで拭き始めても、だんだん濡れてくると水分を完全には拭き取れなくなります。食器に水気が残ったまま風通しの悪いところに収納してしまうと、食器にも雑菌が繁殖。次に使うときに臭ってしまうことがあります。

一方、水切りカゴに置かれた食器の水滴は、雑菌が繁殖する前に乾いてしまうことがほとんど。雑菌の繁殖したふきんで拭くよりも衛生的なのです。

注意点は食器の置き方

「濡れた食器をそのまま出しっぱなしにしておくのは不衛生」と思う人もいるでしょう。確かに、濡れている時間が長いと、その不安も出てきますね。はやく乾かすためには、置き方や並べ方に工夫が必要です。立てたり斜めにしたりするなど、水が切れやすいようにしておきましょう。食器同士がぴったり重ならないよう、隙間を作っておくのも効果的です。

水滴の心配もないので、自然乾燥にはシンク上のスペースを有効活用したいですわね♪


拭くなら清潔なふきんかキッチンペーパー

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水切りカゴを置く場所がない、家族が多いので食器が水切りカゴに入りきらない、など、食器を自然乾燥にしておけない状況の人もいますよね。あるいは、出しっぱなしのゴチャゴチャした状態が嫌な人もいると思います。その場合は、雑菌が繁殖していない清潔なもので拭くようにしましょう。

殺菌済みの乾いたふきん

一度使用したふきんは、殺菌して乾かすまで使わないようにしましょう。食器を拭いている途中でも、水分をきちんと拭き取れなくなってきたら、そこが交換のタイミング。1日に使用するものとして数枚準備しておくと安心です。1枚で拭き切れるよう、大判のものを用意するのもよいですね。

殺菌に使う漂白剤は、塩素系と酸素系、どちらでも構いません。ただ、殺菌力が強いのは塩素系なので、食器を拭くふきんは漂白時に色落ちを気にしなくてすむものをおすすめします。

使い捨てのキッチンペーパー

「毎日ふきんを殺菌するのは面倒、でも洗った食器はすぐ拭いてしまいたい」そんなときに便利なのがキッチンペーパー。厚手のものなら、食器を拭いたあと掃除にも使えます。食器拭きに使った直後のキッチンペーパーは水気を含んでいるものの、雑菌はまだ繁殖しておらず、キッチン周りの掃除に最適。

使い捨てなのでコストはかかりますが、常に衛生的で、洗って乾かす手間が省けるのは大きなメリットです。


食器をはやく乾かす工夫

お湯ですすぐ

お皿をすすぐ様子

食器をすすぐとき、水よりもお湯を使った方が、水分の蒸発スピードがはやくなります。ぬるま湯ではなく、お風呂のお湯のような高めの温度が効果的。自然乾燥させる時間が短くなれば、その分はやく収納できます。すぐ拭く場合でも、水ですすいだときより水気の残りが少なく、拭き取りやすくなります。

速乾タイプの台所用洗剤を使う

お湯を使わずとも水切れをよくする、速乾タイプの洗剤も販売されています。食器に残っている水分が少なければ、自然乾燥でも、ふきんやキッチンペーパーで拭く場合でも、通常より時短になりますね。「お湯ですすぐのは、寒い季節ならよくても、暑いときは避けたい」と思う人にもおすすめです。


まとめ

洗った食器を「ふきんで拭いてしまう」のは、作業面でも衛生面でも、手間のかかる方法です。どうしてもすぐ拭いてしまいたい場合は、衛生的で使い捨てにできる厚手のキッチンペーパーをおすすめします。

しかし、いちばん合理的なのは自然乾燥。ふきんの準備、拭いてしまう作業、ふきんを洗う作業、いずれも不要になるからです。「手抜き」や「ズボラでだらしない」などと後ろめたく思う必要はありません。省ける手間は省いてよいのです。時短になった分を、自分の時間や家族との時間にあてられるなら、食器を自然乾燥させることは、有意義な時間の使い方と言えるでしょう。

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