電気代の高騰の裏で、密かに値上がりの続く水道代。これにより一般家庭では家計の圧迫を余儀なくされています。さらに20年後の2043年には、設備の老朽化対応などにより平均43%の水道代の値上げも予想されています。水道光熱費はライフラインです。節電節水をするのには限界がありますし、節約ばかりではQOL (Quality of life:人生の質) を低下させてしまいます。
そこで注目したいのが、シャワーヘッドの交換による節水です。シャワーヘッドには水圧などの使用感を維持したまま節水してくれるものも存在します。この記事では、シャワーヘッドの交換による節水の効果について具体的に解説します。より良いシャワーヘッドの選び方も解説するので、新しいシャワーヘッドを探すのに役立ててください。
シャワーヘッドによる節水の効果の仕組み
まず、節水シャワーヘッドの仕組みについて見てみましょう。
シャワーを浴びる際に十分な水圧がなければ物足りないと感じる人は多いですが、水圧が高ければそのぶん水の使用量を増やし、結果として水道代が高くなってしまいます。
節水シャワーヘッドは、より少ない水量でも満足できるように巧みに設計されています。これらのシャワーヘッドは、穴のサイズを従来のものより小さくして水圧を高めることで節水を実現しています。
こちらの写真のように、ホースの口を手で絞ると水量は変わりませんが、強く噴き出します。これと同じ原理です。
節水シャワーヘッドによる節約効果
節水シャワーヘッドを使用すると、節約効果がどのくらいあるのでしょうか?
ここでは節約効果についてわかりやすく解説します。
水道代の節約効果
節水シャワーヘッドにすると、シャワーの水量を減らせるので水道代の節約になります。シャワーヘッドの性能によって節水効果は異なりますが、一般的なシャワーヘッドから交換すると20%~60%くらいの節水効果が期待できます。毎日シャワーを浴びるとしたら、水道代の大幅な節約になるのは明らかでしょう。
節約できる水道代の金額
次に節水シャワーヘッドを使用すると、年間でどのくらいの節約になるのかを計算してみましょう。シャワーを浴びているときには、平均的に1分で10L程度の水を流しています。シャワーを浴びる時間はお風呂を用意するか、シャワーだけにするかによって違いますが、産業総合技術研究所によるレポートを参考にすると6分~10分が多くなっています。つまり、1日のシャワーで大体60L~100Lを使用していることになります。
間をとって80Lとすると、東京都水道局では水道代が1Lあたり0.24円程度なので、(2023年12月現在)
シャワーにかかる水道代:
- 1日:19.2円
- 年間:7,008円
節水シャワーヘッドによって50%に水量を削減した場合:
- 1人あたり: 年間 3,504円の節約
- 4人家族の場合:年間 14,016円の節約
シャワーヘッドを変えるだけでこんなに節約できるなんて驚きだわ!
ガス代や電気代の節約効果も
節水シャワーヘッドによって水を節約すると、副次的な節約効果もあります。シャワーを浴びるときには、お湯の温度を40℃前後に設定することが多いでしょう。温水を出すためには給湯器によって加熱する必要があるため、ガス代や電気代もかかっています。
使用する水の量が減れば、加熱に必要なエネルギーも減るのでその分ガス代や電気代が安上がりになります。水道光熱費の全体を節約できるのは、シャワーヘッド交換による節水のメリットです。
節水シャワーヘッドの選び方のポイント
節水機能のあるシャワーヘッドの中から、どれを選んだら良いか迷ってしまう人もいるでしょう。
ここでは節約をしつつ、快適に使えるシャワーヘッドを選ぶためのポイントを紹介します。
節水効果が高い
節約を考えるならシャワーヘッドの節水効果をまず重視しましょう。
最新のシャワーヘッドなら60%以上の節水効果があります。
節水機能の調節ができる
シャワーヘッドで節水機能の調節ができる製品を選ぶのがおすすめです。
身体を流すときには水量を抑えたミストシャワーが効果的ですが、身体を温めたいときには水量を増やした方がすぐに温まります。簡単に切り替えできるシャワーヘッドにすると使い勝手が良くて便利です。
付帯機能がある
近年、多機能性を備えたシャワーヘッドが増えてきています。
使用のしやすさは、選定の際の重要なポイントとなるのでより良いシャワーヘッドを選ぶ際は、付帯機能の存在を重視しましょう。
シャワーヘッドのサイズ、重さ、形状の他、手元で操作できる止水ボタンの有無や、水道水中の残留塩素を取り除く機能の有無も確認すると良いでしょう。
残留塩素除去機能は、お肌や髪をいたわってくれる嬉しい効果もあります。
まとめ
家庭での水の使用目的の1位は風呂で40%を占めています。シャワーヘッドの交換は、最も効率の高い節水対策になります。今使っている一般的なシャワーヘッドから節水効果のあるシャワーヘッドに替えるだけで、年間で見ると1人でも3,500円以上の節約になる可能性があります。
また水道水には残留塩素が残っており、肌や髪にとってもよいとは言えません。節水効果が高く、塩素除去もできるシャワーヘッドの交換で節水、美肌効果を体感してみませんか?
節水シャワーヘッドの効果がわかったら、次は交換方法ですわね。