包丁をシャープナーで研ぐのはダメ?砥石との違いとおすすめの使用法

by 三葉 紗代

包丁は料理をするのに欠かせない必須アイテムです。切れない包丁を使い続けることは料理のパフォーマンスを低下させ、またストレスにもなります。そうならないためにもしっかり包丁を研ぎメンテナンスすることが重要です。しかし、いざ包丁を研ぐとなると砥石がいいのか、シャープナーが良いのか悩むところ。つい手軽な100均などのシャープナーを使いたくなりますが、ドラマ『極工夫道』では、砥石を使って丁寧に研いでいました。家庭でそこまでやる必要があるのか、またそもそも砥石とシャープナーでは何が違うのか、それぞれ使い分けについて解説していきたいと思います。

なぜ包丁を研ぐ必要があるのか

包丁を長持ちさせるため

「包丁を研ぎたい」と思うのはどんなときですか? やはり切れ味が悪くなったときです。

このときの包丁は、刃が欠けていたり丸くなったりして、素材への食い込みが悪くなっている状態。包丁の刃はまな板の上でトントンと当たる衝撃により、だんだん摩耗して丸くなっていきます。そのまま使い続けると、切りづらくて力を入れてしまい、刃にはさらに大きな負担がかかることに。その結果、欠けてしまったり、最悪の場合は折れてしまったりする可能性もあります。

包丁を長く使い続けるには、丸くなった刃を鋭くさせるための定期的な手入れが必要なのです。

一般家庭では、道具のメンテナンスへの関心は薄いかもしれませんが、包丁研ぎは、決してプロだけがすべき特別なことではありません。

調理時の負担を減らすため

包丁研ぎが必要なもうひとつの理由は、使う人の負担を減らすため。

切れないからといって無理に力を入れると、素材で滑ったり思わぬ方向に刃が下りてしまったりして、包丁を持っている側と反対の手を切るリスクが高まります。また、素材を痛めて料理の見た目が悪くなるのも残念なところ。 切れ味の良し悪しを確認する目安として、よくトマトが使われますが、もうひとつわかりやすい素材が玉ねぎです。玉ねぎを切ると涙が出るのは「硫化アリル」という香味成分に目や鼻を刺激されるのが原因。切りづらい包丁で繊維を潰してしまうと、その刺激をより強く受け、涙が止まらずに調理が中断することも。しかし、よく切れる包丁を使えば成分の発散が押さえられて涙も少なくなり、その分、作業がサクサクと進んで調理時間も短縮できます。

シャープナーと砥石で研いだときの違い

シャープナーは「刃をこすって荒らす」

「今すぐよく切れる包丁にしたい」と思ったときに役立つのがシャープナー。

棒状の「ハンディーシャープナー」や、手動式と電動式の両方がある「ロールシャープナー」などがありますが、いずれも素早く切れ味を復活させてくれる便利なものです。

シャープナーで研ぐとすぐに切れるようになるのは、刃を荒らすことで素材への引っかかりを良くしてくれるから。「刃を荒らす」とは、わかりやすくいうと「刃に細かいギザギザをつける」こと。刃が丸くなって素材の上を滑ってしまっていたのを、ギザギザの刃で滑りをなくすことで、下までザクッと切れるようになるわけです。

砥石は「刃を削って整える」

砥石で研ぐ場合はどうしても時間がかかるため、調理中にすぐ切れ味を復活させたいときの使用には向きません。しかし、シャープナーとは違い、刃を荒らすのではなく真っ直ぐ削って整えるので、一度研ぐと切れ味が長続きします。

専門家は、砥石を使って刃を鋭利にすることを「新しい刃をつける」と表現しますが、これは「丸くなった刃を削って、鋭い刃を新しく作り出す」という意味。鉛筆削りをイメージするとわかりやすいでしょう。

シャープナーで研ぐのは本当にダメ?

シャープナーだけを使い続けるのはNG

シャープナーを使うと一時的には切れやすくなるものの、荒れた刃の切れ味は長続きしません。ギザギザの刃は真っ直ぐ整った刃に比べるともろく、摩耗スピードも速いからです。

特に100均などで売られている安いものは、内部に取り付けられている砥石の目が粗く、刃も大きく荒れて欠けやすい状態に。そのため継続的な使用には不向きです。

専門メーカーのシャープナーを選ぶと良い

ではシャープナーを絶対使ってはいけないのかというと、そうではありません。

正しい頻度で正しく使えば、便利で有効なものであることは、刃物メーカーがシャープナーを製造・販売していることからもわかります。もし実際に使用されている包丁と同じメーカーがシャープナーを出しているなら、その中から選ぶと良いでしょう。自社製品に合った作りになっているからです。もちろん、必ずしも同じメーカーを選ぶ必要はありません。

ただし、大きさや重さが実際に使用する場所や自宅の収納に適しているかどうかの確認は必要です。

シャープナーと砥石の使い分け

基本は砥石で刃を整える

包丁研ぎの基本は、やはり砥石で研ぐこと。砥石は主に3つの用途に分けられ、種類は数字で表わされています。数字が小さいほど荒く、大きいほど細かいことを示します。

①荒砥(あらと):#80~#400程度

刃が欠けているなどの状態で、大きく削るときに使われます。

「切れ味が悪くなってきた」という程度で使う必要はありません。


②中砥(なかと):#600~#2000程度

通常の使用で切れ味が悪くなったものを研ぐときに使われます。

一般家庭では「#1000」程度を1種類だけ持っていれば問題ありません。

最初に荒砥を使ったときは、後で必ずこの中砥を使って刃をなめらかに整えます。


③仕上砥(しあげと):#3000~#8000程度

中砥で研いだあと、さらに刃を鋭利にするためのもの。

主にプロの料理人などが仕上げ用として使います。


ちなみに、砥石は100均でも「荒目と中目」がセットになって売られています。「荒目で削って中目で整える」もので、これだけで手入れができそうに見えますね。しかし砥石の数字を見てみますと、中目でも「#200~#300」程度。これは通常「荒砥」として使われるレベルで、刃を整えるには荒すぎます。

砥石を使って丁寧に研ぐのであれば、なめらかに整えられるものを選びたいですね。

シャープナーは補助的なもの

「砥石を使うのが基本」とはいっても、砥石で研ぐ頻度を高くすると、刃をどんどん削って消耗させてしまいます。これは削るたびに短くなっていく鉛筆と同じ原理。砥石を使って研ぐのは包丁を長持ちさせるためでもあるのに、研ぎすぎて買い換え時期を早めてしまっては本末転倒というもの。

一般家庭で砥石を使うのは多くても1か月に1回、包丁を時々しか使わないなら3か月に1回程度を目安にし、その間に切れ味が悪くなったときは、一時的に復活させられるシャープナーを使うと良いでしょう。

ただし、刃の痛みが大きくならないよう、あくまで補助的な役目にとどめておいてください。

まとめ

シャープナーがダメだと言われる理由は「刃を荒らしてもろくしてしまうから」でした。しかし、手軽に切れ味を復活させたい場合に、一時的なものとして使用する分には便利なのも確かです。一般家庭において「手軽で便利」なことは重要ですよね。

包丁を長持ちさせ、かつ家事の負担や「切れない!」というストレスを減らすためには、シャープナーと砥石を併用していくことをおすすめします。

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