布団に入った子供が体をかいている・・・もしかしてダニ!?でもどうやって対策したらいいかわからない・・・そんな悩みを抱えていませんか?
エステー株式会社が、子どもがいる既婚女性661人を対象に実施した「家庭のダニおよびダニ対策に関する調査」では、家の「寝具類」にダニがいると認識する回答が上位を占めるのに対し、家庭においてダニ対策を「行っている」と回答したのは全体の36.8%にとどまり、約6割以上の家庭では対策をしていないことが判明しています。
その理由は「ダニ対策の方法が分からないから」が5割以上で最も多く、ダニ対策についての知識がないために対策が出来ていないことも分かります。この記事では、布団にいるダニの正体や対策方法について、わかりやすく解説します。この記事を読めば、家族をダニから守る方法や、毎日の予防策がわかりますよ。
かゆみを引き起こす布団にいるのは、どんなダニ?
「布団に入るとかゆくなる」そんな時に考えられるダニはどんな種類なのでしょうか?
ダニの種類
屋内に生息するダニは「チリダニ」「コナダニ」「ツメダニ」「イエダニ」の4種類。中でも、布団やカーペット、布製のソファーなどに多く生息するのが「チリダニ」です。
ダニが好む環境
ダニが好む環境は以下の2つがそろう場所です。
- 食物が多い場所
- 高温多湿な場所
ダニは、人の肌から出るフケやアカ、食べ物のカス、カビなどをエサにして繁殖します。また、高温多湿な場所(室温 25℃以上、湿度 60%以上)を好むため、フケやアカが落ち、体温や寝汗によって温められた布団はまさにダニにとってパラダイスと言えるのです。
ダニによる健康被害
布団など屋内に生息するダニによる健康被害は主に2つのパターンに分かれます。
- ダニに咬まれることによる健康被害
- ダニのフンや死骸を吸い込むことによるアレルギー疾患の発症
驚くことにチリダニ、コナダニは人を刺しません。しかし、チリダニやコナダニが増殖するとそれを捕食するツメダニも増えます。このツメダニが人を刺すことがあるのです。
また、一般社団法人日本アレルギー学会が発行する「アレルギー疾患の手引き」によると、ダニのフンや死骸は、喘息やアトピー、アレルギー性鼻炎ら様々なアレルギー疾患発症の原因になることが分かっています。
ダニに刺されたときの症状と対処法
屋内に生息するダニに刺されると、赤いブツブツした発疹や盛り上がるような腫れが現れ、強いかゆみが出ます。アイスパックなどでかゆみを軽減しつつ、虫刺され用の市販薬を塗布します。それでもかゆみがひどい場合は、必ず医療機関を受診しましょう。
布団に入ると鼻がムズムズしたり、体がかゆくなったりする場合は、ダニによるアレルギー反応が起きている可能性があります。アレルゲンとなっているダニを減らすことと、ダニのフンや死骸を除去することが大切になります。
ダニと一緒に寝るなんてあり得なくてよ!
布団にいるダニへの具体的な対策
ダニ対策の基本的な考え方は以下の2点です。
- ダニの餌を減らす→掃除をする
- ダニの好む環境を改善する→乾燥させる
これらをふまえた上で、具体的な対策をしていきます。
布団を天日干しする
ダニを死滅させる温度の推奨値は医療機関や公的機関によって若干の差がありますが、多くの場合「50度以上で20分以上、60度以上の高温では一瞬で死滅する」と言われています。 天日干しでは、布団の表面温度は60℃に達することはほとんどありませんので、ダニのすべてを死滅させることはできません。
しかし、天日干しをすることで布団に風を通し、湿気を飛ばしてダニの繁殖を抑える効果は期待できます。布団を裏返して両面を干したり、布団をよくたたいてダニを浮かび上がらせたりするとより効果的です。
布団カバーやシーツを洗濯する
ダニは布団や寝具の奥に潜んでいるため、水流や洗剤では死滅しません。ただ、布団カバーやシーツを洗濯することで、アレルギー症状を引き起こす原因となるダニの死骸やフンを除去することができるので有効です。
また、乾燥機によっては「ダニ対策モード」が装備されているので、このモードを選べば簡単にダニを退治できるのでおすすめです。
布団乾燥機をかけ、掃除機で吸う
布団乾燥機は、高温と乾燥によってダニを退治することができます。しかし、アレルギーの原因となるダニの死骸やフンは残るため、掃除機で吸って除去することが大切です。
なお、普通の掃除機で布団を吸おうとすると、寝具の巻き込みがあってイライラしてしまうため、掃除機は布団専用のノズルや、布団クリーナーがあると快適さが段違いです。布団用ノズルが無いときは、ストッキングの先端を先にかぶせる方法もありますが、ダニ対策に本腰を入れるのなら、思い切って購入するのも良いでしょう。
コインランドリーで布団を洗浄・乾燥する
コインランドリーで布団を丸洗いできることを知っていますか?大型のコインランドリーなら布団洗浄に対応した洗濯機が置かれていることがほとんどです。洗浄も高温乾燥もパワフルなので、ダニのフンや死骸を洗浄、生き残ったダニも一気に死滅させます。
ただ、使っている布団の種類によっては、コインランドリーで洗えないものもありますので、必ず表示を確認しましょう。
布団クリーニングに出す
布団を洗えるようなコインランドリーが近くにない、という時は布団クリーニングを依頼するのもおすすめです。業者によっては集荷サービスもあります。布団クリーニングでは、洗浄、高温乾燥、さらに死滅したダニの死骸やフンの吸引と、布団のダニ対策をフルで行ってくれます。
ただし、クリーニング業者によってサービス内容が異なりますので、あらかじめ調べてから申し込みましょう。
防ダニグッズを使う
最近は様々な防ダニグッズが登場しており、主に2種類に分けられます。
- ダニを駆除するタイプ
- ダニを寄せ付けないタイプ
ダニを駆除するタイプには、殺虫剤やダニ捕りシートなどがあります。これらのグッズは、ダニを直接駆除することで、ダニの密度を下げることができます。ダニを寄せ付けないタイプには、防ダニ加工された布団やマットレス、防ダニスプレーなどがあります。これらのグッズは、ダニが嫌う成分を配合することで、ダニの侵入を防ぐことができます。
しかし、ダニを完全に駆除することは難しいため、他のダニ対策と併用することが大切です。
普段の生活で布団のダニ繁殖を予防する方法
ダニが好む環境は、食物が多い場所(栄養となる汚れやカビがある)、そして高温多湿な場所です。
その条件をできるだけ減らしていくことで布団のダニ繁殖を予防することができます。普段の生活から、以下の点を意識してみましょう。
- 寝室を掃除機で時間をかけて隅々まで丁寧に掃除する
- 寝室に洗濯物を干さない
- 寝室の換気をして風通しをよくする
- シーツや寝具は週1回以上洗濯する
日本アレルギー学会の発行する「アレルゲン免疫療法の手引き」によると、つねに室内を清潔にし、ダニが繁殖しやすい環境(室温 25℃以上、湿度 60%以上)を避けることが効果的とされています。また、換気や掃除は3日に1回以上、寝具の掃除機かけも1㎡当たり20~30秒間を週1回することが推奨されています。ダニを予防するには、ここまでしないといけないのですね・・・
大丈夫!面倒くさいなら、家事代行さんに頼めますわよ!
まとめ
ダニ対策は、こまめな掃除や布団乾燥機の使用など、日々の積み重ねが大切です。しかし、仕事や育児に追われる中でダニ対策を徹底するのは難しいかもしれません。「週に何回も掃除機をかけられないよ!」「1㎡あたり30秒なんてゆっくり掃除するのは無理!」という声が聞こえてきそうです。
そんな時は、布団クリーニングに出したり、家事代行さんに丁寧なお掃除を依頼したりするのはいかがでしょうか。大切な家族がダニでかゆくなったり、アレルギー症状で苦しんだりするのは辛いですから、家族の健康を守るために思い切って試してみるのもいいですね