縦型洗濯乾燥機は乾く?ドラム式より縦型がおすすめな人は

by 三葉 紗代

縦型洗濯乾燥機は本当に乾くのか、疑念を持つ方は多いかもしれません。そもそも、乾燥機能を重視するなら、ドラム式か独立した乾燥機を選びますよね。縦型の洗濯乾燥機について迷っているのは、部屋干しの悩みがある自然乾燥派の人ではないでしょうか。縦型洗濯乾燥機の機能を知れば、初期費用を抑えながら、洗濯の負担を軽減できます。

縦型洗濯乾燥機はちゃんと乾く?

結論から言えば、乾きます。ただし、縦型洗濯乾燥機に向いているものとそうでないものとがあるので、注意は必要。また、乾燥機能を十分に発揮させるには、使用方法を守ることも重要です。

縦型の乾燥機に向いているもの

縦型洗濯乾燥機で乾燥させても問題ないものとして挙げられるのは、シワを気にせずにすむジャージやスウェット、綿素材の肌着など。また、普通に干すだけではゴワゴワしてしまうタオルは、乾燥機だとふっくら仕上がります。バスタオルなどの大きなものは、部屋干しのときにスペースの確保が必要ですが、乾燥機があればその心配は不要になりますね。

縦型の乾燥機に向いていないもの

反対に向いていないのは、高温に弱い素材。縦型では「ヒーター式」と呼ばれる高温での乾燥になり、一部の衣類については縮みや伸びを引き起こす可能性があるからです。例えば、化繊の衣類はシワになり、アイロンをかけても元に戻らないことがあります。シフォン素材や薄手のハンカチなども同様。また、ウール素材のものは縮んでしまうため、ヒーター式での乾燥には向いていません。

洗濯物に化繊やシフォン素材が含まれる場合は、洗濯から乾燥までを一気に行わず、脱水まで完了したところで取り出しましょう。その後、乾燥にかけられるものだけを入れた状態で乾燥機能を稼働させれば、洗濯の二度手間にはなりません。

容量を守る

これはドラム式でも同じことがいえますが、乾燥機にかける洗濯物の容量は、洗濯時の半分ほどです。機種によって多少の違いはあるものの、12kg用の洗濯機なら、乾燥時は6kg、といった具合。洗濯乾燥機には「洗濯」と「乾燥」それぞれの容量がはっきり記されています。多く入れてしまうと機能が十分に発揮されないため、必ず守るようにしましょう。

フィルターの掃除をする

フィルターの掃除もマメにおこなう必要があります。フィルターが詰まっていると乾きが悪く、乾燥具合を自動で感知する機種の場合、長い時間稼働させることになります。長時間の乾燥は衣類を傷めることになり、電気代もムダ。毎回が理想ですが、少なくとも2回に1回は、フィルターの掃除をおこないましょう。


ヒーター式とヒートポンプ式の違い

乾燥機には、大きく分けて「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」があり、縦型はヒーター式が採用されています。ドラム式は機種によって違いますが、12kgや11kgの大きなものはたいていヒートポンプ式です。10kg以下だと、縦型と同じくヒーター式を採用しているものもあります。

縦型に使われるヒーター式

ヒーター式はヘアドライヤーと同じ原理で、高温風で乾燥させます。電気を直接熱に変えて内部の温度を上げ、その温風を洗濯槽内に送ることで、洗濯物の水分が蒸発するのです。ただし、ヒーターで温度を上げるため、電気代がかかります。

蒸発した水分を外に出す方法は2種類あり、水蒸気をそのまま排出するのが「排気タイプ」。もうひとつは、水蒸気を冷却して水に戻してから排出させる「水冷除湿タイプ」。冷却に水を使うため、乾燥機の使用時も洗濯機用の蛇口を開けておく必要があります。

ドラム型で主流のヒートポンプ式

ヒートポンプ式は、エアコンの除湿機能と同じ原理。冷媒を使って冷却と加熱を繰り返しながら、効率良く水分を除去する仕組みで、ヒーター式に比べて大幅な省エネとなります。乾燥した風をあてて水分を外に出すため、ヒーター式よりも低い温度で衣類を乾燥させることができます。


縦型とドラム式の「サイズ」と「値段」の違い

一般的にはドラム式の方がかなり大きいイメージがあります。では、縦型と比べて実際どれだけ大きいのでしょうか。家電メーカー3社の2022年~2023年モデルで12kg用の洗濯乾燥機(ドラム式10機種、縦型4機種)の平均値を算出してみました。

サイズの差は意外に小さい

まず横幅ですが、12kg用の洗濯乾燥機の平均は、ドラム式が64.8cm、縦型が64cm、その差はわずか0.8cm。なお、10kg用の洗濯乾燥機の場合、対象機種は減りますが、差は2.8cmに広がりました。

次に奥行き。12kg用の洗濯乾燥機の平均は、ドラム式が71cm、縦型が68.8cm。その差は2.2cmでした。ただし、ドラム式は扉を手前に開かなければいけませんので、本体の奥行き以外にも「扉を開けたときにどうなるか」を考えてスペースを確保する必要があります。

値段の違いは大きい

サイズがそれほど変わらないのであれば、ドラム式にしておいた方が便利な気もしますね。ところが、金額には大きな差があります。縦型洗濯乾燥機の10kg~12kg用は10万円から15万円前後で、ドラム式は20万円から30万円前後。(※金額は2023年末時点)

「毎日、洗濯から乾燥までを一度に済ませたい」のであれば、初期費用がかかっても、洗濯時にかかる水道代や乾燥にかかる電気代などのランニングコストが安いドラム式がよいでしょう。

しかし、普段は自然乾燥(天日干しや部屋干し)で、乾燥機能を使うのが週に1回か2回、あるいはそれ以下なのであれば、初期費用の安い縦型がおすすめです。


まとめ

ドラム式洗濯乾燥機の便利さや省エネ度の高さは、確かに魅力的。しかし、乾燥機能をあまり使わないのであれば、結果的に高い買い物になってしまいます。「手間はかかっても、洗濯物はできるだけ外に干して乾かしたい、でも部屋干しで困ることもある」のであれば、初期費用が抑えられ、その上で乾燥機能もある縦型の洗濯機が便利。生活スタイルに合ったものを選ぶのが、家事を快適におこなうことにもつながります。


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